退職後の健康保険切替えに悩んでいませんか?
この記事では、「国民健康保険」と「任意継続健康保険」の違いから、手続きの流れ、保険料のシミュレーションまで、最適な選択肢を見つけるためのポイントを徹底解説します。
複雑な制度も、この記事を読めばしっかりと理解できます。
◆この記事のポイント
・退職後の健康保険切替えについて 各健康保険の特徴から手続き方法まで解説!
退職後の生活を健康で安心なものにするためにも、ぜひ最後まで読んでください。
退職後の健康保険切替え手続きのやり方
退職後の健康保険切替えは、多くの人にとって不安で複雑な課題でしょう。
しかし、事前に情報があればスムーズに手続きを進められます。
まずは、「退職後にするべきこと」と「健康保険の種類」を把握しましょう。
退職したらまずやるべきこと
退職後は以下の点に漏れがないか、確認をしましょう
1. 退職日を確認する
2. 退職証明書を受け取る
3. 健康保険の資格喪失証明書を入手する
4. 新しい健康保険の選択肢を検討する
とくに4.は、今後の生活や収入にも関わることです。
しっかりと見極めて考えましょう。
健康保険の種類と特徴
退職後は、以下の健康保険から選択します
・国民健康保険
・任意継続健康保険
それぞれに特徴があります。
現況、今後の状況に合わせて選択することが重要でしょう。
退職後の健康保険|メリット・デメリット比較
退職後の健康保険選びで非常に悩むポイントは、「国民健康保険と任意継続健康保険のどちらを選ぶのか?」です。
【STEP1】では、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
【国民健康保険】とは?健康保険との違い
国民健康保険は自営業者や無職の人、学生などが加入する「公的医療保険制度」です。
細かい特徴は、以下の通りです
- 居住地の市町村内で加入手続きを行う
- 前年の所得に応じて保険料が決まる
- 40歳~65歳未満は介護保険料も必要
保険料に含まれるので別途納付の必要はありません
国民健康保険のメリット・デメリットを考える
国民健康保険に切替えることで考えられるメリット・デメリットは?
このようなメリット・デメリットが考えられます。
とくに「付加給付がない」は、大きなデメリットと言えるでしょう
◆付加給付がないとは?
高額療養費の自己負担額の引下げや、特定医療機関の割引など受けることができません。
さらに詳しくは 下記参照
【任意継続健康保険】どこまで引き継げるのか?
任意継続健康保険は、退職前に加入していた健康保険を一定期間継続できる制度です。
- 最長 2年間 継続可能
- 退職前の健康保険組合で手続き
- 保険料は退職時の標準報酬月額※をベースに計算
※標準報酬月額:退職前の給与
任意継続健康保険のメリット・デメリットを考える
任意継続健康保険を選択した場合の、メリット・デメリットを見てみましょう
ただし、「任意継続健康保険」も国民健康保険と同様に付加給付には期待できません。
このように、退職前に加入していた保険を継続する特性上、保険料は退職前の給与によって変動すると考えると判りやすいでしょう。
国民健康保険と任意継続のメリット・デメリットを比較一覧
それぞれの健康保険のメリット・デメリットをまとめました。
国民健康保険と任意継続健康保険の各項目比較は以下の通りです
国民健康保険 | 任意継続健康保険 | |
---|---|---|
加入期間の制限 | 制限なし | 最長 2年間 |
保険料 | 収入によって変動 | 退職前の給与から算出 |
付加給付 | なし | なし |
保険サービス | 一部受診できない 医療機関がある | 退職前と同じ医療機関で 受診が可能 |
国民健康保険組合と契約していない、国民健康保険の患者を受け入れていないなど、各医療機関ごとで「さまざまな理由」から受診できない場合があります。
国民健康保険に切替えた後は、受診を希望する医療機関に確認をしましょう
「付加給付がない」とは?高額な医療費で陥る危険性
前述した【付加給付がない】について、さらに詳しくみていきましょう。
一番の問題点は「自己負担が大きくなる」でしょう
「健康保険組合」の付加給付では、高額療養費の自己負担上限額が引き下げられることがありますが、国民健康保険や任意継続健康保険では、その恩恵が受けられません。
そのため、病気やケガで医療費が高額になった場合には、自己負担額が大きくなり経済的な負担が増える可能性があります。
健康保険組合:主に会社員が加入する健康保険を運営する組織で、保険料を会社と従業員で折半し運営する組合
退職後の生活スタイルに合う健康保険を選ぶ
国民健康保険や任意継続保険の保険料、どれくらいかかるのか不安ですよね。
そのため、家族状況なども踏まえ保険料をシュミレーションして、自分に合った健康保険を選ぶことが重要になってきます。
ここからは保険料の仕組みや、自分に合った保険の選び方を詳しく解説していきます。
健康保険の保険料は市町村によって変わる
国民健康保険や任意継続健康保険の保険料は、市町村ごとに異なることがあります。
これは、各市町村が異なる基準で保険料を算出しているためです。
たとえば、住民の年齢構成や医療費の支出額、財政状況などが影響します。
とくに医療費が高い地域では、その分保険料も高くなる傾向があるようです。
健康保険の保険料をシミュレーションしてみよう
前述したように、国民健康保険と任意継続健康保険、どちらも保険料の算出方法は市町村によって異なります。
また、それぞれの健康保険で保険料の算出方法にも違いがあるので、ここからはさらに深堀して、それぞれの保険料の求め方を解説します。
国民健康保険|保険料のシュミレーション
国民健康保険の保険料は、以下の要素をもとに算出されます。
・所得割:前年の所得に基づいて算出され所得に応じて変動
・均等割:世帯ごとに一定額設定される。世帯の人数で増減
※「均等割」を「平等割」と表現する場合があります。
・介護保険料
この他にも、一部の自治体では高額な資産を持っている人を対象に「資産割」を導入している場合がありますが、全国的に見る一般的な算出方法ではありません。
任意継続健康保険|保険料シュミレーション
任意継続健康保険の保険料は、退職前の健康保険料を継続する形となるため退職前の保険料を2倍にした額が目安です。
健康保険は雇用主側と雇用者側で折半しているため、およそ2倍が目安となります
ただし、あくまでも目安のため、実際の保険料は健康保険組合や市町村の規定によって異なります。
また、1ヶ月分の保険料にも上限があります。
上限や、市町村の規定などについては下記※の全国健康保険協会にお問合わせください。
※任意継続健康保険料の詳細は 全国健康保険協会 まで
扶養家族がいる場合の注意点
ここまで、国民健康保険と任意継続健康保険の保険料について解説してきましたが、さらに扶養家族がいる場合には注意が必要です。
以下は、扶養家族がいる場合のポイントです
・国民健康保険:家族の人数分の保険料がかかる
・任意継続健康保険:扶養家族の保険料は含まれる
・扶養に入る:配偶者の勤務先の健康保険に加入する
このように、扶養家族がいる場合には保険料の算出方法や保険の加入先の選択肢が増えます。
家族構成など踏まえ、全体の保険料を導き出し加入先を決めましょう。
ただし、各保険の選択には退職後から一定期間内に申し出る必要があります。
期限などに関しては後述する、【STEP3】健康保険の手続き方法 で紹介します。
配偶者の扶養に加入する場合、配偶者の勤務先が保険料を半額負担する必要があるため、了承を得る必要があります。
健康保険の切替え手続き方法
健康保険の選択が決まったら、速やかに手続きを行いましょう。
一般的に手続きは国民健康保険は居住の市町村役場で、任意継続の場合は加入していた健康保険組合で行います。
ここからは、必要書類や申請窓口、期限など手続きに関することを詳しく解説します。
退職後の健康保険切替えに必要な書類
まずは、切替えに必要な物を揃えましょう。
基本的には退職時に会社からもらえるか、退職後に郵送される書類と、自分で準備するものとのあります。
※会社によって、郵送・手渡しなど異なります
一般的に必要な書類は以下の通りです
1. 退職証明書
2. 健康保険資格喪失証明書
3. 本人確認書類(運転免許証など)
4. 印鑑
5. マイナンバーカードまたは通知カード
必要書類は加入する保険や自治体によって異なる場合があるので事前に確認しましょう
健康保険切替えの申請窓口はどこ?
「国民健康保険」と「任意継続健康保険」とでは、申請窓口が異なります。
それぞれの窓口は、以下の通りです
・国民健康保険:居住地の市区町村役場
・任意継続健康保険:退職前に加入していた健康保険組合
後述しますが、保険の切替えには期限が設けられています。
窓口の営業時間や混雑状況を確認し、余裕を持って切替え申請に訪れましょう。
退職後の健康保険切替え手続きの期限
健康保険の切り替え手続きには期限があります。
さらに、期限を過ぎると加入ができなかったり、遡って保険料を支払う必要が生じたりします。
期限を守りましょう!
それぞれの加入手続き期限は、以下の通りです
・国民健康保険:退職日から14日以内
・任意継続健康保険:退職日から20日以内
※郵送の場合は必着です
また、加入手続きの際に保険料の納付方法も決めます。
主な納付方法は、以下の通りです。
・毎月の口座振替
・納付書による納付
・前納による納付
退職後の生活に合わせて納付方法を決めましょう。
退職後の健康保険について よくある質問
退職後の健康保険手続きで「離職票」と「退職証明書」どちらが必要か?
迷っている方も多いのではないでしょうか?
健康保険切替え手続きに必要なのは、一般的に「退職証明書」です。
今回の手続きでは、離職票は必要ありません。
ただし、離職票は他の手続きで必要となるので紛失しないよう注意が必要です。
ここからは、健康保険切替えに「よくある質問」をまとめました。
任意継続健康保険の加入期間は?
任意継続健康保険の加入。期間は「最長2年間」です。
加入後、2年経過したら自動で「任意継続健康保険」を失効し、「国民健康保険」への切替えが自動的に行われます。
切替ることで、保険料も変化するので確認しましょう。
その後、居住の市町村から国民健康保険への加入に関する通知が届きます。
「国民健康保険」には加入期間の期限はありません
健康保険証の受け取りは?
無事に切替えが終了したら、あとは切替えた健康保険の「保険証」を受け取るだけです。
基本的には、どちらの健康保険に加入しても、手続きが完了後1~2週間ほどで郵送されます。
また、保険料の納付書が同封されている場合があるので、その際はその納付書に従い保険料の支払いを行いましょう。
保険証が手元に届く前に医療機関を利用する場合、後日保険証を提示することで対応可能な場合があります。
各医療機関に相談しましょう
再就職した場合、健康保険はどうすればいい?
再就職先が見つかっても、健康保険に加入できない場合があります。
ここでは、それぞれの状況に応じた対応を見ていきましょう。
健康保険に加入できる場合
再就職先が見つかり、その勤務先で健康保険が加入できる場合には基本的に、新しい勤務先が健康保険への切替えを行ってくれます。
しかし、稀に自分で行うよう指示される場合があります。
その場合は、以下の手順で行いましょう。
◆国民健康保険の場合
- 勤務先から新しい健康保険証の交付を待つ
- 居住の市町村役場にて脱退手続きを行います
・健康保険証の写し、印鑑、住民票など必要
◆任意継続健康保険の場合
加入していた健康保険組合で脱退手続きを行います
以下、全国健康保険協会に加入していた場合
- 「任意継続被保険者資格喪失申出書※」を入手
- 必要事項を記入し、全国健康保険協会に提出
◆その他の健康保険組合の場合
加入していた組合によって手続きが違うので、
直接 問い合わせましょう
※ 全国健康保険協会の公式HP からダウンロードできます
健康保険の加入ができない場合
就業に就くと基本的には健康保険には加入できます。
しかし、一部加入できない場合があります。
その対象は主に、パートタイムやアルバイトとなるでしょう。
加入できない理由は、以下の通りです
◆健康保険に加入できない
1.一週間の所定労働時間が4分の3未満
2.一ヶ月の所定労働日数が4分の3未満
3.年収が一定額以上ない
4.事業主が健康保険組合に加入していない
※令和6年10月から従業員51人以上の企業の場合、パートやアルバイトでも1、2の条件を満たしていなくても加入対象となるようです。
(令和6年9月 時点)
退職後の健康保険手続きポイントのまとめ
退職後の健康保険切替えについてまとめましたが、いかがでしたか?
少し複雑に感じてしまったかもしれませんね。
しかし、以下の3つのポイントを押さえれば、スムーズに手続きを進められます。
◆健康保険切替えのポイント
1. 国民健康保険と任意継続健康保険の特徴を理解する
2. 自分の状況(収入、家族構成、健康状態)に合わせて最適な保険を選ぶ
3. 必要書類を準備し、期限内に手続きを完了する
健康保険は私たちの生活を支える重要な制度です
この記事を参考に、最適な選択をして安心して新生活をスタートさせてください!
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