退職後、これまで会社がしてくれていた税金の支払いなど、自分でやらなければなりません。
でも、何をどうするのか?正直わからないでしょう。
・退職後のやるべき手続きは?
・退職したら年金はどうなる?
・失業保険はどう申請する?
上記の【やるべきこと】をわかないまま放置すると、大変なことになります。
年金の切り替えができないと「年金受給額」が減額されたり、「住民税」の納付が遅れると延滞金が発生したりする場合があります。
この記事では、退職後にやるべきことや手続きについて詳しく紹介します。
この記事を読めば、退職後の生活に対する不安を軽減させることが可能です。
退職や転職に踏み出せない不安を解消し、新たな一歩を踏み出すために準備しましょう。
退職後にやることリスト
【退職後の生活】を支えるためには、さまざまな手続きが必要です。
ここでは、退職後にやるべき以下の手続きについて解説します。
・失業保険の受給資格確認
・健康保険の切替え
・国民年金への切替え
・住民税の届出
・所得税の確定申告
失業保険の受給資格確認
一定の条件を満たすことで【失業保険の受給資格】が得られます。
失業保険の受給資格を得るための条件は以下のとおりです。
- 失業状態である
- ハローワークで求職の申込みをしている
- 雇用保険の被保険者期間が6または12か月以上である
失業保険の受給者には、働く意思があり本人が働ける状態にあることが求められます。
住んでいる地域を管轄しているハローワークで求職の申し込みを行い、転職活動をしていることも条件の一つです。
退職時の年齢が満65歳以上の場合は「高年齢求職者給付金」を受給します。
失業保険の受給中は週20時間を超えて働くアルバイトに就くと、年齢にかかわらず失業保険は受給できません。
週20時間未満のアルバイトやパートについては、引き続き求職の意思があれば失業保険を受給できる場合があります。
健康保険の切り替え
退職後の健康保険には「国民健康保険」「健康保険任意継続」「家族の健康保険(被扶養者)」の3つの選択肢があります。
期限内に健康保険を切り替えないと、医療費が全額自己負担になる可能性があるため、早めの手続きが大切です。切り替え期限は健康保険によって異なります。
高額療養費制度は、健康保険(協会けんぽや組合健保)や国民健康保険などに加入しているすべての被保険者が利用できます。
傷病手当金は健康保険に加入している被保険者には適用されますが、任意継続被保険者には適用されません。
また、出産手当金も任意継続被保険者には適用されない場合があります。
▼健康保険切替え さらに詳しくはこちら▼
国民年金への切り替え
退職によって厚生年金の資格を失った場合には、国民年金へ切り替える必要があります。
日本国内に住所地がある20歳以上60歳未満の人は、何らかの公的年金制度に加入することが義務付けられています。
※国民年金への切り替えは退職後14日以内に行う必要があります。
扶養している60歳未満の配偶者がいる場合は、配偶者も同時に国民年金への加入が必要です。
保険料を納めることが経済的に困難な場合は、申請書を提出すると保険料の納付が免除される場合があります。
▼国民年金切替え さらに詳しくはこちら▼
住民税の届出
退職後は住民税の納付方法が変わります。
会社に勤めている間は、給与から住民税が天引きされる「特別徴収」です。
しかし、退職後は住民税を自分で納める必要があります。
退職後の住民税は「普通徴収」と「一括徴収」のどちらかを選んで納付します。
一括徴収を希望する場合には、会社に届出が必要です。
- 普通徴収:
退職後に自宅に届く通知書により、納付書を使って納付する方法 - 一括徴収:
支給される最後の給与や退職金などから全額を差し引いて納付
退職時期が1~5月までの場合は原則「一括徴収」になります
※6~12月の退職は、どちらかの納付方法を選びます。
所得税の確定申告
退職後は所得税の確定申告が必要です。
会社に勤めている場合は、毎月の給与から天引きで源泉徴収されたうえで年末調整されました。
しかし、退職後は年末調整されないため、年間の所得を自分で申告する必要があります。
退職後の確定申告が必要になるのは、源泉徴収によって納めた税金と本来支払うべき税金の額が異なる場合です。
確定申告が必要なケースは以下の3つです。
◆ 年内働いていなかった場合
◆ 個人事業主になった場合
◆ 転職先で年末調整をしていない場合
※いずれも退職した年の年末
確定申告書の作成は、国税庁のウェブサイトから様式をダウンロードするか、「e-Tax」というオンラインシステムを利用します。
「e-Tax」を使えば自宅からインターネットで申告できるので便利です。
また、確定申告の手続きに不安がある場合は、税務署の窓口や税理士に相談するのもおすすめです。
退職後の失業保険の手続きでやること
退職後、失業保険を受給する場合に必要な以下の手続きについて解説します。
- 失業保険の受給資格
- 失業保険申請の流れ
- ハローワークでの求職活動登録
失業保険の受給資格
失業保険を受給するには「失業状態であること」「ハローワークで転職活動をしていること」が必要です。
また、雇用保険の被保険者期間も一定以上あることが求められます。
以下の場合は失業状態と認められません。
- 家業に専念もしくは手伝いをしている
- 学業に専念する
- 求職活動をしない
- 自営業を始めた(準備も含む)
※ 退職しても失業状態と認められない場合は、失業手当の受給はできません
失業保険申請の流れ
失業保険を申請する手順は以下のとおりです。
❶ 必要書類の準備
❷ ハローワークでの求職申込み
❸ 雇用保険受給者初回説明会に出席
❹ 失業認定
❺ 給付金の受給
退職する会社から「雇用保険被保険者証」と「離職票」の受け取りが必要です。
受け取った離職票を持参してハローワークに行き、求職の申し込みをしましょう。
失業保険の受給資格が確認されると、ハローワークで雇用保険受給者初回説明会の日時が知らされるので必ず出席します。
説明会で渡された失業認定申告書と雇用保険受給資格者証をハローワークに持参すると、失業認定を受けることが可能です。
指定された失業認定日にハローワークへ行く必要があります
失業の認定を受けた後、5営業日以内に指定した銀行口座に給付金が振り込まれます。
ハローワークでの求職活動登録
失業保険を受給するためには、ハローワークでの求職活動登録が必要です。
住所地を管轄するハローワークで、雇用保険被保険者離職票などの書類を提出し求職申し込みを行います。
失業認定を受けるためには求職活動実績を示す必要があります。
求職活動実績を示すとは、「職業相談」「職業紹介」「セミナーに参加」などです。
全国のハローワーク所在地は こちら
退職後の健康保険の手続きでやること
退職後の健康保険には以下の選択肢があります。
- 国民健康保険への加入
- 任意継続保険の利用
- 家族の扶養に加入
国民健康保険への加入
他の医療保険制度に加入していない人が【国民健康保険の対象者】です。
国民健康保険は市町村や都道府県が運営しており、加入者は所得に応じた保険料を支払います。
加入手続きは退職後14日以内に住所地がある市町村役場で行いましょう。
国民健康保険加入手続きに必要な書類は以下のとおりです。
・社会保険資格喪失証明書
・身分証明書(運転免許証など)
・マイナンバーが確認できるもの
・印鑑(必要な場合)
保険料は前年の所得をもとに計算され、世帯単位で請求されます。
支払い方法は口座振替か納付書による支払いです。
所得が低い場合には、保険料の減額や免除制度を利用できる可能性があります。
任意継続保険の利用
任意継続保険は退職後も会社の健康保険に最長2年間加入できる制度です。
退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上あること、75歳未満であることが条件です
手続きは退職日の翌日から20日以内に行います。
保険料は全額自己負担で、退職前の月給か保険者の全被保険者の平均月給のいずれか低い額で計算されます。
傷病手当金や出産手当金の給付可能性があるため、保険料とメリットをよく考慮して選択しましょう。
家族の扶養に加入
家族の扶養に加入することで、健康保険の負担を軽減できます。
加入条件は年収が130万円未満かつ被保険者の収入の2分の1未満であることです。
また、60歳以上または障害者の場合は180万円未満です。
扶養に入れるのは、被保険者と配偶者の3親等以内の親族で同一生計であることが求められます。
加入手続きは扶養者が加入している健康保険の組合または、年金事務所に書類を提出します。
提出書類は以下のとおりです。
- 被扶養者となる人の収入証明書(源泉徴収票や給与明細など)
- 続柄を証明する書類(戸籍謄本など)
- 扶養者の健康保険証のコピー
- 健康保険組合が指定する書類
申請期限には明確な期限はありません。
ただし、収入や生活状況が変わった場合は速やかに手続きが必要です。
退職後の年金の手続きでやること
退職後の「年金手続き」でやることは以下のとおりです。
- 国民年金への加入
- 既存の年金制度からの切り替え
国民年金への加入
退職後に転職先が決まっていない場合や自営業者になる場合は、国民年金に切り替えが必要です
退職日の翌日から14日以内に、住んでいる自治体の年金窓口で手続きを行います。
手続きに必要な書類は以下のとおりです。
・年金手帳
・本人確認書類
・離職票
既存の年金制度からの切り替え
退職後に早期、もしくは退職した月に次の会社に転職した場合には、次の会社で厚生年金に継続して加入するため、国民年金への切り替えは必要ありません。
転職先の会社に年金手帳を提出するか、マイナンバーを通知して手続きが完了します。
配偶者が厚生年金に加入している場合には、配偶者に扶養されることで国民年金を個別に支払う必要がありません。
また、扶養の手続きは配偶者が勤めている会社で行います。
配偶者の扶養として認められる条件
- 収入が130万円未満であること
- 60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満です
配偶者と同居の場合は収入が扶養者の半分未満、別居の場合は扶養者からの仕送り額未満であることも条件です。
退職後にやるべき再就職の準備と人生設計
退職後には各種手続きだけでなく再就職や人生設計も必要です。
退職後にやるべき以下の内容について解説します。
- 転職活動の準備とスキルアップ
- 転職サイトと転職エージェントの活用
- 退職後のストレスへの対処法
- 人脈と情報収集の重要性
転職活動の準備とスキルアップ
「転職活動」には3か月程度かかるのが一般的です。
全体のスケジュールを立てたうえで取り組みましょう。
転職活動を成功させるためには、事前の準備とスキルアップが重要です。
自己分析を行い、自分の強みや弱みを明確にすると、目指すべき方向性が見えてきます。
希望する業界や職種に必要なスキルを調べ、不足している部分を補いましょう。
オンライン講座や資格取得勉強、セミナー・ワークショップへの参加が有効です。
業界の動向や市場の状況についてもリサーチします。
常に最新の情報を把握することが大切です!
また、厚生労働省が提供しているマイジョブカードなら自己分析を容易に!
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転職サイトと転職エージェントの活用
転職エージェントや転職サイトを活用すると、効率的に転職活動を進められます
転職サイトでは多くの求人情報を簡単に検索できるため、自分に合った仕事を見つけやすいです。
複数の転職サイトに登録することで、多くの求人情報を得られます。
また、スカウト機能を設定すれば、企業からのオファーを受け取ることが可能です。
転職エージェントでは、専門家のサポートを受けられます。自己分析や市場価値の把握をサポートしたり、履歴書や職務経歴書の添削をしたりします。
転職エージェントの大きなメリットは、非公開求人の紹介をしてくれる点です。
面接対策のアドバイスや、入社後のフォローもしてくれる場合があります。
~広 告~
退職後のストレスへの対処法
退職後は生活への不安などから、ストレスを感じることもよくあります。
心身の健康を維持し、次のキャリアに向けて前向きな姿勢を保つためには、適度にストレスを解消しましょう。
有効なストレスへの対処法は、以下のとおりです。
・規則正しい生活
・適度な運動
・趣味の時間
・家族や友人との交流
・新しいスキルの習得や自己啓発
自分では対処できないストレスを感じた場合は、メンタルヘルスケアの専門家に相談しましょう。
人脈と情報収集の重要性
人脈と情報収集は、転職や再就職の成功に欠かせない要素です。
最新の業界動向を把握することで、キャリアチャンスをつかめます。
そのため、SNSの活用や勉強会・交流会に積極的にすると業界内の人材と接点が作れます。
自己研鑽と市場価値の把握に努めることも大切です。
最新の知識を習得するには、専門誌や業界紙を定期購読しましょう。
オンラインフォーラムやコミュニティに参加し、同業者と情報交換するのも有効です。
人脈と情報は、キャリアアップの強力な武器です
まとめ
退職後はやるべきことがたくさんあります。
しかし、一つひとつ確実にこなせば退職後も生活に困窮せずに過ごせます。
退職後にやることリストを確認し、順番に進めましょう。
□ 失業保険の手続き
□ 健康保険の切替え
□ 国民年金の切替え
以上の、忘れがちな手続きを確実に行うことが重要です。
「再就職」では、転職サイトや転職エージェントの活用が有効です。
情報収集とスキルアップを怠らなければ、成功のチャンスをつかめます。
ストレス管理にも気を配りながら、長期的な人生設計を考えましょう。
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記事の内容を参考にして退職後の不安を解消し、新たな一歩を踏み出してください。
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