【厚生年金】と【国民年金】の違いを正確に理解していますか?
実は、ちゃんと理解している人は意外と少ないでしょう。
年金制度は私たちの老後の生活を支える重要な仕組みです!
【厚生年金】と【国民年金】の違いを把握し、現在のライフワークが老後にどう影響するのか?
しっかりと理解しておく必要があります。
この記事では、【厚生年金】と【国民年金】の違いを詳しく解説しています。
そして、より年金制度を理解するための情報として読んでいただければ幸いです。
年金制度の基本を知ろう
現在、日本では【厚生年金】と【国民年金】という2つの年金制度があります。
同じ様な名称ですが、
それぞれ違いがあるので、【厚生年金】と【国民年金】の基本的な違いについて説明します。
厚生年金とは?
【厚生年金】:主に会社員や公務員が加入する年金制度です。
従業員が5人以上いる会社では、原則として全従業員が加入しなければなりません。
保険料は給与に応じて決まり、従業員と会社で折半して納めます。
国民年金とは?
【国民年金】:20歳以上60歳未満のすべての日本国民が加入する基礎的な年金制度です。
厚生年金に加入していない人が対象です。
また、保険料は定額で年金加入対象者が全額負担します
主な対象者は「自営業者」「学生」「主婦」など
厚生年金と国民年金の違いとは?
以上のように、【厚生年金】と【国民年金】はどちらも年金の一種ですが、その仕組みは異なります。
主な違いをまとめると以下の通りです
- 保険料の計算方法:
所得で変動する厚生年金と固定の国民年金 - 保険料の負担者:
雇用者と折半する厚生年金と全額負担の国民年金 - 将来の給付額:
厚生年金の場合、所得で納付額に違いがあるため給付額にも変動があります
厚生年金と国民年金|どちらが対象?
それぞれの年金制度の違いは前述した通りです。
では次に、「自分が【厚生年金】【国民年金】どちらの加入対象になるのか?」を見ていきましょう。
厚生年金は会社員や公務員が加入対象
【厚生年金】に加入対象者は主に、雇用契約がある者が対象となります。
◆対象となるのは以下の通りです
- 法人事業所(事業主のみも含む)
- 従業員5人以上の個人事業所
- 公務員
- 私立学校教職員
また、厚生年金に加入すると同時に、国民年金の第2号被保険者となります。
国民年金は学生や主婦と自営業者が加入対象
次に【国民年金】に加入対象者について解説。
- 自営業者
- フリーランス
- 学生
- 専業主婦・主夫
- 無職
また、こちらに該当する人は国民年金の第1号被保険者となります。
パートやアルバイトは厚生年金と国民年金どっち?
パートやアルバイトの場合には、特定の条件を満たせば厚生年金に加入することができます。
以下、厚生年金加入条件
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8万8千円以上
- 雇用期間が1年以上見込まれる
- 学生でない
これらの条件を満たさない場合は、国民年金に加入することになります。
パートやアルバイトの契約の際、契約期間を定めることがあるので、それが1年以上の場合には3番が適応されます。
保険料と給付額の違いを比較
【厚生年金】と【国民年金】で重要になるのが、保険料と将来の給付額です。
前述したように、所得に応じて納付額が変動する厚生年金は給付も変動します。
しかし、納付額が固定の国民年金は、給付額も変動しません。
要するに、年金は将来への貯金のような物です。
そのため多くの貯金をしたら、老後に給付される金額も多くなるということです。
厚生年金の保険料と将来の給付額
厚生年金保険料率は現時点(令和6年度)で18.3%と定められています。
この厚生年金保険料の半分を従業員が負担し、残りの半分を事業所が負担します。
このように、給付額は加入期間と報酬に応じて計算されます。
そのため一般的に、厚生年金の方が国民年金よりも給付額が多くなる傾向にあります。
総支給額が30万円の場合
30万円×0.183(18.3%)÷2=27,450円が個人の負担額です
国民年金の保険料と将来の給付額
国民年金保険料は定額で、全額を個人が負担します。
また、満額の老齢基礎年金を受け取るには、40年間保険料を納付する必要があります
厚生年金と国民年金どっちがいい?メリットとデメリット
【厚生年金】と【国民年金】どっちがいいのでしょうか?
会社員をしている場合には、選択肢は基本的にありません。
しかし、個人事業主の場合には法人化して厚生年金に意図的に切り替えることも可能です。
では、法人化してまで厚生年金に切替えるメリットはあるのでしょうか?
ここからは、各年金制度のメリット・デメリットに焦点を当て解説していきます
厚生年金のメリット・デメリット
【厚生年金】のメリットは以下の通りです
- 会社が保険料の半分を負担
- 給付額が比較的高い
- 障害年金や遺族年金の給付額も高い
このように、
給付額が高い傾向にあると同時に、老齢基礎年金以外での恩恵もあります
厚生年金のデメリットは、高所得になればなるほど負担が大きいことです。
しかし、言い換えれば将来の給付額も大くなるので、老後の生活にもゆとりができます。
国民年金のメリット・デメリット
【国民年金】のメリットは以下の通りです
- 保険料が定額なので、収入に関わらず一定
- 自営業者や学生も加入できる
このように、
所得に関わらず一定の納付額で、しかも学生や自営業者も加入できます。
国民年金のデメリットもみてみましょう
- 給付額が厚生年金に比べて低い傾向
- 保険料を全額自己負担する必要がある
このように、全額負担したにも関わらず、一般的には厚生年金加入者よりも ”給付額が低い” 傾向にあります。
年金に関するよくある質問と答え
ここからは、みなさんが年金に関して疑問に思うことや、よくある質問にお答えします。
年金と年金基金の違いとは?
「年金」と「年金 基金」、一見同じように思えますが、意味が違います
◆ 年金と年金基金の違い
・年金:老齢などの際に受け取る「お金」そのものを指す
・年金基金:年金給付を行うための資金を積み立てる仕組み
簡潔にまとめると、「老後に受け取るお金」と「それを積み立てる仕組み」のことです。
そのため、通常は「年金」と言う言葉を使うことが多いでしょう。
年金制度の最新情報と変更点
年金制度は社会情勢に応じて変更されることがあります
◆最近の主な変更点
- 受給開始年齢の引き上げ:
男性は2013年~2025年にかけて65歳に引き上げ
女性は2018年~2030年にかけて65歳に引き上げ - マクロ経済スライドの導入:
賃金や物価によって年金支給額の給付水準を調整すること
端的に言うと、年金支給額を抑制する制度です - 年金生活者支援給付金制度:
※下記参照
※【年金生活者支援給付金】は、消費税率引き上げ分を活用し、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の方に、生活の支援を図ることを目的として、年金に上乗せして支給するものです
年金生活者支援給付金制度について | 厚生労働省 (mhlw.go.jp)
年金だけでは不安!老後資金計画
年金の給付年齢の引き上げや、少子化問題に景気低迷など問題が山積みの現代。
今後は、年金だけで老後の生活を賄うのは難しいでしょう。
◆以下の点を考慮して、老後の資金計画を立てましょう
- 予想される年金受給額の確認
- 必要な生活費の試算
- 不足分を補うための貯蓄や投資の検討
- 健康保険や介護保険の理解
これらを考慮して、安心できる老後の計画を立てる必要があります。
そのためには「積立型の投資」や「確定拠出年金」など、年金以外での老後資金の形成が鍵となります。
▼確定拠出年金についてはこちら▼
まとめ
【厚生年金】と【国民年金】はそれぞれ特徴があり、個人の状況に応じて最適な制度が異なります。
自分の状況をよく理解し、将来を見据えて適切な年金制度を選択することが大切です。
また、年金制度は変更される可能性があります。
定期的に最新情報をチェックし、必要に応じて計画を見直しましょう。
年金は私たちの老後の生活を支える重要な制度です
この記事を参考に、安心できる老後を迎えられる準備を行ってください。
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